結論:中国のフリーWi-Fiは「使えるが制限が多い」
中国のフリーWi-Fiは電話番号認証が壁になる。しかもVPNなしだとLINEもGmailも使えない。
中国の空港・ホテル・カフェにはフリーWi-Fiが整備されている。ただし、日本のフリーWi-Fiとは事情がかなり違う。電話番号認証が必要、VPN接続がブロックされる場合がある、そもそもGFW(グレートファイアウォール)の規制下にある、という3つの壁がある。
筆者は上海・北京・深圳を回った際、フリーWi-Fiだけで過ごそうとして初日に挫折した。結論として、フリーWi-FiはあくまでサブとしeSIMとVPNの併用が正解だ。
場所別:フリーWi-Fiの実態
空港のWi-Fi
中国の主要空港(上海浦東・北京首都・広州白雲など)にはフリーWi-Fiが設置されている。
- 認証方法: パスポート読み取り、またはSMS認証
- 速度: 10〜30Mbps程度(時間帯で大きく変動)
- 制限時間: 多くの空港で2〜4時間の時間制限あり
- VPN接続: ブロックされることがある
上海浦東空港ではパスポートスキャンで接続できた。ただし、回線が混雑する時間帯は5Mbps以下まで落ちることもあった。北京首都空港ではSMS認証のみで、中国の電話番号がないと接続できなかった。
ホテルのWi-Fi
中国のホテルWi-Fiは、グレードによって品質が大きく変わる。
- 5つ星ホテル: 30〜100Mbps。パスワード方式で外国人でも簡単に接続可能
- ビジネスホテル: 10〜30Mbps。部屋番号+名前で認証する形式が多い
- 格安ホテル: 5〜15Mbps。不安定なことが多い
注意すべきは、ホテルWi-FiでVPN接続がブロックされるケースが増えていることだ。筆者も上海のビジネスホテルでNordVPNが繋がらず、eSIMのモバイルデータ通信に切り替えて対応した。5つ星ホテルではVPNが使えることが多いが、確実ではない。
ホテルWi-FiのセキュリティリスクについてはホテルWi-Fiの安全対策ガイドを参照してほしい。
カフェ・レストランのWi-Fi
スターバックスや大手チェーンにはフリーWi-Fiがある。
- 認証方法: ほぼ中国の電話番号によるSMS認証
- 速度: 5〜20Mbps
- 制限時間: 店舗によるが、多くは1〜2時間
最大の壁は中国の電話番号が必要なことだ。日本の番号ではSMSを受信できない。WeChatのミニプログラム経由で接続する方式の店舗もあり、WeChatアカウントが必要になる。
ショッピングモール・公共施設
大型ショッピングモールや地下鉄駅にもフリーWi-Fiがある。ただし速度は3〜10Mbps程度で、動画視聴には厳しい。SMS認証が必要な場合がほとんどだ。
フリーWi-Fiの3つのリスク
1. GFWの規制を受ける
フリーWi-Fi経由の通信はすべてGFWの規制対象だ。つまり、LINE・Gmail・Google・Instagram・YouTube・ChatGPTなどは一切使えない。VPNが必須になる。
中国のネット規制の全体像は中国のネット環境完全ガイドにまとめている。
2. セキュリティリスク
暗号化されていないフリーWi-Fiでは、通信内容を傍受される可能性がある。中国のフリーWi-Fiは特に注意が必要だ。ログイン情報やクレジットカード番号を入力する際は、必ずVPNで通信を暗号化すること。
3. VPN接続のブロック
前述の通り、一部のWi-FiスポットではVPN通信自体がブロックされる。VPNが使えないフリーWi-Fiは、セキュリティ面でもGFW回避の面でも実用性が低い。
おすすめの対策:eSIM+VPNの併用
フリーWi-Fiだけに頼るのはリスクが高い。最も確実な方法はeSIMとVPNの併用だ。
eSIMのメリット
- 中国の電話番号が付与されるプランもあり、Wi-Fi認証にも使える
- モバイルデータ通信のほうがVPN接続が安定しやすい
- 空港到着直後からネットが使える
中国向けeSIMの比較は中国のeSIM比較で詳しく解説している。
VPNのメリット
- GFW規制を回避してLINE・Gmail・Googleなどが使える
- 通信を暗号化してセキュリティを確保
- フリーWi-Fi利用時の盗聴リスクを軽減
おすすめVPNの詳細は海外おすすめVPN 3選を参照。
実際の運用方法
筆者の中国出張時の使い方を紹介する。
- 外出中: eSIMのモバイルデータ通信+NordVPN
- ホテル: ホテルWi-Fi+VPN(VPNがブロックされたらeSIMに切替)
- カフェ: eSIMのモバイルデータ通信+VPN(Wi-Fiは認証が面倒なので使わない)
この組み合わせで、中国滞在中にネットで困ることはほぼなかった。
フリーWi-Fi利用時のセキュリティチェックリスト
- VPNを接続してから通信を開始する
- HTTPS以外のサイトにはアクセスしない
- クレジットカード情報の入力はVPN接続下でのみ行う
- 自動接続をOFFにして、知らないWi-Fiに接続しない
- 使い終わったらWi-Fiの接続を切る
- Bluetooth・AirDropもOFFにしておく
まとめ
- 中国のフリーWi-Fiは電話番号認証が壁。日本の番号では接続できないことが多い
- 速度は都市部で10〜30Mbps程度。混雑時は大幅に低下する
- VPNなしだとLINE・Gmail・Googleなどが一切使えない
- フリーWi-Fiだけに頼らず、eSIM+VPNの併用が正解
- ホテルWi-FiでVPNがブロックされるケースも増えている
※VPNの利用は渡航先の法律に従い、ご自身の責任で行ってください。当サイトは特定の国でのVPN利用を推奨するものではありません。